布ナプキンの染色に使われる染料について

布ナプキン

一体型の布ナプキンは、ポップでかわいいナプキンがたくさんありますよね。

自然の色合いを生かしたものもありますが、色鮮やかに染められた布ナプキンも豊富です。

今回はこの布ナプキンの染色に使用する染料についてまとめました。

まず、染料は大きく「化学染料」と「天然染料」の2つに分けられます。

化学染料は化学の力を応用

化学染料は、石炭や石油を原料に化学合成された染料です。化学合成によって色を作り出すので合成染料とも呼ばれています。

ポップでかわいいデザインの布ナプキンのほとんどは、化学染料で染色されたものです。

  • 染色コストが低いので安価
  • 色の種類が多く、バリエーション豊かな色合いや柄が作れる
  • 発色が美しく安定していて色落ちしづらい
  • 日光や摩擦などへの強度も天然染料より優れている
  • 一部に発ガン物質など毒性のある物質が含まれている
  • 敏感肌の人はアレルギー反応を起こす

天然染料は安全性が高く身体にやさしい

天然染料は、自然界の生物や鉱物から抽出した染料です。植物由来のものが大部分を占めていますが、貝類や虫など動物由来の染料や、土も染色原料になります。

布ナプキンでは、草木染めやベンガラ染めのものが多いです。

草木染め

植物を煮出した汁に繊維を浸して染色し、媒染剤(※)で定着させる方法です。この2つの工程を繰り返すことで色の濃さや深みを出していきます。

※植物の成分と化学反応を起こすことにより色を定着・発色させる液で草木染めには欠かせない材料です。

ベンガラ染め

土に含まれる成分で布を染める方法です。天然染料の中でも簡単な染め方で、ベンガラ染料を少量の水に溶かすだけで染めることができます。

染料を布に揉み込んでから1週間ほど干して定着させ、洗い流すだけの手軽な染色方法です。

  • 安全性が高い
  • 化学染料では出せない深みと味わいがあり、微妙な色彩表現ができる
  • 染料原料に薬効性がある
  • 複数の製品を全く同じ色に染めることができない
  • 滲み感や色の奥深さなどが微妙に異なる
  • 時間や摩擦によって退色しやすい
  • 大量の染色原料を使い手間と時間がかかる(→コストが高い)

化学染料=悪、天然染料=エコではない

化学染料=悪、天然染料=エコ、というイメージを持つ方も多いですが、必ずしもそうではありません。

実は草木染めで使われる媒染剤は意外とくせ者。昔ながらの灰などが使われることもありますが、重金属が使われることも少なくありません

重金属の中には少量でも人体に有害なものもあり、そのまま排水口に流せば環境汚染にもつながります。

また、布を染めるためには大量の草木が必要です。そして煮出す際にも大量のエネルギーを消費し、二酸化炭素も排出されます。

一方、化学染料は少量の液で染めることが可能。さらにより安全性の高い化学染料も開発され、日本では浄水施設の設置も条例化されてきています。

このように天然染料は必ずしもエコというわけではなく、化学染料が必ずしも悪というわけではないのです。

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