今でこそ生理中は「生理用ナプキン」を使うのが当たり前になっていますが、いわゆる使い捨てナプキンの歴史は以外と浅く、日本で発売されたのは1960年代になってからです。
では、それより前、女性はどうやって生理期間を過ごしていたのでしょうか。その歴史を簡単にみていきましょう。
古代文明の時期
女性たちはウールやパピルス(植物の一種)、草などをタンポンのようにして使用していたようです。
奈良時代~江戸時代
日本では奈良時代頃から布をあてるようになりました。そして江戸時代になると綿が広まり始めます。
それまでは麻や紙、上流階級では絹なども使われていました。綿のナプキンは繰り返し洗濯して使っていたそうなので、ちょうど今の布ナプキンのような存在ですね。
大正時代
大正時代になると「紙や布をあてた上からT字型の帯で押さえる」というスタイルから、脱脂綿を生理時専用のゴムの帯で押さえる人もでてきます。
現在のナプキンのように経血を吸収するようなものではなく、じわーっと染みこんでいくようなものだったそうです。
ただし、脱脂綿は当時高級品だったため、特に戦時中は生理用に使うことができず、多くの人がちり紙のようなものをクルクルと丸めて膣に詰めて使用していました。
このちり紙は今でいうタンポンの原型のようなものですが、タンポンと違うところは膣の入り口の浅い部分にちょっとだけ詰めていただけで、生理の血がもれないようにフタの役割していたことです。
そしておしっこをするようにこまめにトイレに行き、経血を排泄していたようです。
1900年代
多くの人が自作の布ナプキンを使用するように。1920年代にはアメリカで使い捨てナプキンが登場。
そして日本では1960年代に使い捨てナプキンが発売され、その便利さから瞬く間に広まります。
70年代後半~
高分子ポリマー使用の使い捨てナプキンも登場し、便利さはどんどん増しています。
一方でエコや快適さの観点から使い捨てナプキンの使用を見直す人も増え、布ナプキンが静かなブームともなっているのです。